先日の従兄弟殿の結婚祝いで、叔父がわざわざ四国から取り寄せた「山田」*1(我が家の名字)という日本酒を配った。どうせなら久保田の萬寿でもくれたら良いのに。
この叔父は山田のルーツにやたらとこだわる。「山田は誰々の家来だった」とか「お前も世が世ならお姫様だったんだぞ」とか。まあ、こうした傾向は祖父にもあったらしく、当時役場でそれなりにお偉いさんだったらしい祖父は、郷土史編纂の際に職権濫用して山田のルーツを調べてたとか。*2
こういうことする人って現状に不満がある人に多い気がする。祖父の代は農地解放の後でどんどん土地を失ってた時代だし、叔父も仕事がうまくいってない時期らしい。
私はそうした叔父達のようにはなるまいと思っていたが、「私は地方出の高卒夫婦の娘だからインテリにはなれないな」とか「あの人達は両親とも研究者だし、絶対かなわないよな」とか現状のうまくいかない部分を氏素性のせいにしていた時期がある。いや、今もそうかもしれない。
祖父や叔父とはベクトルが違うかもしれないけど、似たようなもんだ。なかなか思うような人間になれない。

*1:便宜的に私の名字をここでは「山田」とする。

*2:でもこの調査っていうのもあやしい。大体、尋常小学校しか出てない人がちゃんと史料が読めていたのか。「山田だって元をたどれば立派だったはず」という思い込みのもとでの調査は危険。日本史で言う一級史料へのアクセスは可能だったのか。「史料批判」という概念自体、彼は持っていたのか等々、疑問多し。親戚の前では口が裂けても言えないが。